オンライン診療における緊急避妊~経口避妊薬の処方について~

医薬品・医療
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2019年6月10日に開催された「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」においてオンライン診療における緊急避妊についての方針が決まりましたのでまとめていきたいと思います。

緊急避妊薬を取り巻く課題

日本では、人工妊娠中絶数が年間164,621人に上る中、避妊の手段の一つである緊急避妊薬が処方薬であることや入手しづらいことについて、これまで繰り返し議論されてきました。また、SNSなどを利用した海外からの輸入薬の転売や譲渡が散見され、2019年2月には、フリマアプリを使用した転売によって逮捕事例が発生するなど、違法なやりとりが横行しています。

緊急避妊にかかる診療と緊急避妊薬の特徴

緊急避妊薬は、性交後72時間以内に内服する必要性があり、迅速な対応が求められるものの、地方において産婦人科を受診しにくい状況や、デートレイプを含む犯罪などが関係する場合などにおいてもアクセスがしにくいという問題がある。
一方で、「緊急避妊法の適正使用に関する指針」において緊急避妊薬を処方すべきかの判断は過去の月経などの情報を的確に聴取し判断する必要があるとされている。

緊急避妊に係るオンライン診療

オンライン診療においては、初診は直接の対面診療を行うこと、直接の対面診療を組み合わせることが原則となる。

緊急避妊に係る診療については、緊急避妊を要するが対面診療が可能な医療機関等に係る適切な情報を有さない女性に対し、女性の健康に関する相談窓口等(女性健康支援センター、婦人相談所、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを
含む。)において、対面診療が可能な医療機関のリスト等を用いて受診可能な医療機関を紹介することとし、その上で直接の対面診療を受診することとする。

初診からオンライン診療が可能である対象(例外)

・地理的要因がある場合
・女性の健康に関する相談窓口等に所属する又はこうした相談窓口等と連携している医師が女性の心理的な状態にかんがみて対面診療が困難であると判断した場合

初診からオンライン診療が可能である医師

• 産婦人科医あるいは研修を受けた医師に限定
• 研修を受講した医師の名簿は厚生労働省のホームページに掲載

緊急避妊薬の入手方法・調剤可能な薬局

• 医師は院外処方により薬局で1錠のみ調剤
• 研修を受けた薬剤師の面前での内服確認
• 薬剤師により性に関する情報提供
• 薬局及び研修受講した薬剤師のリスト公表

フォローアップ体制

• 避妊失敗を念頭に3週間後の対面診療を担保すること
• リストに基づいて産婦人科を紹介すること

まとめ

オンライン診療における緊急避妊の診療・調剤には研修が必要になってきますので医師会・薬剤師会から案内があったら受けておくようにしましょう。
オンラインの診療が進むことで望まない妊娠が今後は減っていくといいですね。

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