令和2年診療報酬改定の点数と算定要件が厚生労働省から出てきましたので変更があった部分をまとめていきたいと思います。
診療報酬改定
・診療報酬改定 +0.55% [・医科* +0.53% ・歯科 +0.59% ・調剤 +0.16%]
*うち消費税財源を活用した救急病院における勤務医の働き方改革への特例的な対応 +0.08%
薬価改定
・薬価改定 ▲0.99% [・ 実勢価等改定 ▲0.43% ・市場拡大再算定の見直し等 ▲0.01% ]
・材料価格改定 ▲0.02% [・実勢改定等 ▲0.01%]
勤務医の働き方改革への対応について
診療報酬:公費 126億円程度
地域医療介護総合確保基金:公費 143億円程度
調剤基本料
特別調剤基本料 11点→9点
対象: 病院敷地内の薬局等→ 病院敷地内の薬局等・診療所敷地内の薬局等※(同一建物内である場合を除く)
※ 診療所と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局については、平成30年4月1日以降に開局した場合のみを対象とする
処方箋集中率:95%→70%
特別調剤基本料を算定する保険薬局の調剤基本料の減算
かかりつけ機能に係る基本的な業務※が年間合計10 回未満の場合に調剤基本料を50%減
→ いわゆる同一敷地内薬局については年間合計100回未満の場合に、調剤基本料を50%減
※かかりつけ機能に係る基本的な業務
①時間外等加算及び夜間・休日等加算
②麻薬管理指導加算
③重複投薬・相互作用等防止加算
④かかりつけ薬剤師指導料
⑤かかりつけ薬剤師包括管 理料
⑥外来服薬支援料
⑦服用薬剤調整支援料
⑧在宅患者訪問薬剤管理指導料
⑨在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
⑩在宅患者緊急時等共同指導料、退院時共同指導料
⑪服薬情報等提供料
⑫在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
⑬居宅療養管理指導費、介護予防居宅療養管理指導費
調剤基本料に対する加算および減算
後発医薬品調剤体制加算1(数量シェア75%以上) 18点→15点
後発医薬品調剤体制加算2(数量シェア80%以上) 22点(変更なし)
後発医薬品調剤体制加算3(数量シェア85%以上) 26点→28点
後発医薬品調剤体制の減算 数量シェア20%以下→40%以下に変更
処方箋の複数受付の減算(新設):同一患者から異なる医療機関の処方箋を同時にまとめて複数枚受け付 けた場合、2回目以上の受付分については所定点数の100分の80に相当する点数を算定する。
地域支援体制加算
地域支援体制加算 35点→38点
※1在宅協力薬局として実施した場合(同一グループ内は除く)や同等の業務を行った場合を含む
※2同等の業務を行った場合を含む
調剤料
内服薬 1~7日分 5点/日→28点
8~14日分 4点/日→55点
15~21日分 67点→64点
22~30日分 78点→77点
31日分以上 86点(変更なし)
薬剤服用歴管理指導料
・再度の来局の期間:原則6月以内→原則3月以内
・患者が普段利用する薬局の名称をお薬手帳 に記載するよう患者に促す(追加)
調剤基本料1 再度の来局・手帳あり 41点→43点
それ以外 53点→57点
調剤基本料1以外 再度の来局・手帳あり 53点→43点
それ以外 53点→57点
かかりつけ薬剤師指導料等
かかりつけ薬剤師指導料 73点→76点
かかりつけ薬剤師包括管理料 281点→291点
施設基準:患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを 有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。(追加)
算定要件:患者に残薬が一定程度認められると判断される場合には、患者の意向を確認した上で、患者の残薬の状況及びその理由を患者の手帳に簡潔に記載し、処方医に対して情報提供するよう努めること。 (追加)
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
1 計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患の急変に伴うものの場合 500点
2 1以外の場合 200点
1及び2については、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師が、在宅での療養を 行っている患者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医の求めにより、当該患者に係る計画的な訪問薬剤管理指導とは別に、緊急に患家を訪問して必要な薬学的管理及び指導を行った場合に、1と2を合わせて月4回に限り算定する。
外来患者へのオンライン服薬指導(新設)
薬剤服用歴管理指導料4 情報通信機器を用いた服薬指導を行った場合 43点 (月1回まで)
対象患者
(1)オンライン診療料に規定する情報通信機器を用いた診療により処方箋が交付された患者
(2) 原則3月以内に薬剤服用歴管理指導料「1」又は「2」を算定した患者
主な算定要件
・薬機法施行規則及び関連通知に沿って実施すること
・服薬指導計画を作成し、当該計画に基づき実施すること
・オンライン服薬指導を行う保険薬剤師は、原則として同一の者であること
・手帳により薬剤服用歴及び服用中の医薬品等について確認すること
※このほか薬機法により、当該薬局において調剤したものと同一内容の薬剤について、オンライン診療による処方箋により調剤することなどが要件として求められる。
施設基準
(1)医薬品医療機器等法施行規則及び関連通知に沿ってオンライン服薬指導を行う体制を有する保険薬局であること
(2)当該保険薬局において、 1月当たりの次の①、②の算定回数の合計に占めるオンライン服薬指導(※)の割合が1割以下であること。
①薬剤服用歴管理指導料
②在宅患者訪問薬剤管理指導料(在宅患者オンライン服薬指導料を含む。)
※ 薬剤服用歴管理指導料「4」及び「在宅患者オンライン服薬指導料」の合計
在宅患者へのオンライン服薬指導料(新設)
在宅患者訪問薬剤管理指導料 在宅患者オンライン服薬指導料 57点(月1回まで)
対象患者
(1)在宅時医学総合管理料に規定する訪問診療の実施により処方箋が交付された患者
(2)在宅患者訪問薬剤管理指導料が月1回算定されている患者
主な算定要件
・保険薬剤師1人につき、在宅患者訪問薬剤管理指導料1から3までと合わせて週40回に限り、週10回を限度として算定できる。
・薬機法施行規則及び関連通知に沿って実施すること
・服薬指導計画を作成し、当該計画に基づき実施すること
・オンライン服薬指導を行う保険薬剤師は、原則として同一の者であること
・訪問診療を行った医師に対して、在宅患者オンライン服薬指導の結果について必要な情報提供を文書で行うこと
※このほか薬機法により、当該薬局において調剤したものと同一内容の薬剤であることなどが要件として求められる
施設基準
(1)薬剤服用歴管理指導料の4に係る届出を行った保険薬局であること
服用薬剤調整支援料2 (新設)
服用薬剤調整支援料2 100点 (3月に1回まで)
算定要件: 複数の保険医療機関より6種類以上の内服薬が処方されていた患者について、患者等の求めに応じて、①当該患者の服用中の薬剤について一元的把握を行うとともに、②重複投薬等のおそれがある場合には、重複投薬等の解消に係る提案 (※) を検討し、当該提案や服用薬剤の一覧を含む報告書を作成し、処方医に送付した場合に算定する。
※ 重複投薬の状況や副作用の可能性等を踏まえ、患者に処方される薬剤の種類数の減少に係る提案
特定薬剤管理指導加算2 (新設)
特定薬剤管理指導加算2 100点(月1回まで)
対象患者:連携充実加算を届け出ている保険医療機関で抗悪性腫瘍剤を注射された患者であって、当該保険薬局で抗悪性腫瘍剤や制吐剤等 の支持療法に係る薬剤の調剤を受ける患者
算定要件:①レジメン(治療内容)等を確認し、必要な薬学的管理及び指導を行うとともに、②電話等により、抗悪性腫瘍剤及び制吐剤等の支持療法に係る薬剤に関し、服用状況や副作用の有無等を患者等に確認し、③その結果を踏まえ、当該保険医療機関に必要な情報を文書により提供した場合に算定する。
施設基準:(1)パーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること。
(2)保険医療機関が実施する抗悪性腫瘍剤の化学療法に係る研修会に年1回以上参加していること。
※ 経過措置として令和2年9月30日までの間は研修会への参加の基準は満たしているものとして取り扱う。
吸入薬指導加算(新設)
吸入薬指導加算 30点(3月に1回まで)
算定要件:喘息又は慢性閉塞性肺疾患の患者であって吸入薬の投薬が行われている患者に対して、当該患者等の求めに応じて、① 文書及び練習用吸入器等を用いて吸入手技の指導を行い、患者が正しい手順で吸入薬が使用されているか否かの確認、 ② 保険医療機関に必要な情報を文書により提供等した場合に算定する。
※ 保険医療機関への情報提供は、手帳による情報提供でも差し支えない。
調剤後薬剤管理指導加算(新設)
調剤後薬剤管理指導加算 30点(月1回まで)
対象保険薬局:地域支援体制加算を届け出ている保険薬局
対象患者:インスリン製剤又はスルフォニル尿素系製剤(以下「インスリン製剤等」という。)を使用している糖尿病患者であって、新たに インスリン製剤等が処方されたもの又はインスリン製剤等に係る投薬内容の変更が行われたもの
算定要件 :患者等の求めに応じて、①調剤後に電話等により、その使用状況、副作用の有無等について患者に確認する等、必要な薬学的管理指導②その結果等を保険医療機関に文書により情報提供を行った場合に算定する。
経管投薬支援料(新設)
経管投薬支援料 100点(初回のみ)
算定要件:胃瘻若しくは腸瘻による経管投薬又は経鼻経管投薬を行っている患者に対して、保険医療機関等からの求めに応じて、簡易懸濁法による薬剤の服用に関して必要な支援を行った場合に算定する。
具体的な支援内容:
① 簡易懸濁法に適した薬剤の選択の支援
② 患者の家族又は介助者が簡易懸濁法により経管投薬を行うために必要な指導
③ 保険医療機関への患者の服薬状況及び家族等の理解度に係る情報提供(必要に応じて)
まとめ
対物業務から対人業務への方針から調剤料の変更や新たな指導加算の追加が行われています。
4月から変更になるので当日に慌てないように事前に準備を進めていきましょう。
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