米FDAによるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)治療へのレムデシビルの緊急使用許可について

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 米国食品医薬品局(FDA)は5月1日にレムデシビルをCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)で使用できるように緊急使用許可を発表しましたのでまとめていきたいと思います。FDAが新型コロナウイルス感染症治療薬の使用を許可するのは初となります。

レムデシビルとは

 レムデシビルはもともとはアメリカのバイオ医薬品大手のギリアド・サイエンシズ社により、エボラ出血熱など新興感染症治療薬として開発されていた抗ウイルス薬である。

作用機序

 RNAウイルスに対し広く活性を示すRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する

報告されている副作用

 肝機能障害、下痢、皮疹、腎機能障害などの頻度が高く、重篤な副作用として多臓器不全、敗血症性ショック、急性腎障害、低血圧が報告されている。

臨床試験

 レムデシビルを使った臨床試験は、米国内の47カ所の医療機関および、日本の国立国際医療研究センターを含むアジアやヨーロッパにある21医療機関でも実施されている。

 ギリアドが行っている臨床試験では、5日投与群で64.5%(129例/200例)が、10日投与群で53.8%(106例/197例)が臨床的回復に到達しています。

 また、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が行った臨床試験では、レムデシビルを投与された患者は、プラセボ群比較して症状が続く期間が15日から11日に縮んだといいます。

対象患者

 酵素療法や人工呼吸器が必要な重症の新型コロナウイルス感染症患者が投与の対象となります。

許可期限

 米国保健福祉省が公衆衛生上の緊急事態宣言を解除するまで緊急使用許可は有効となります。

用法について

 緊急時使用許可では、人工呼吸器あるいは体外式膜型人工肺を必要とする患者には10日間投与、それ以外の患者は5日間投与を推奨しています。

まとめ

 今回、臨床試験の結果発表からわずか2日という異例のスピードで緊急使用を許可になりました。臨床試験はまだ終了していないため異例の許可ですね。

 FDAが許可したことにより日本でもレムテシビルの特例承認の動きがあります。日本でももうすぐ治療に使用できるようになりそうです。 

 ただ、臨床試験は途中ですので新しいデータが出てくるかもしれませんので注意してみていきたいですね。

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